地方独立行政法人
市立吹田市民病院 整形外科
Suita Municipal Hospital

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〒564-0082 吹田市片山町2丁目13番20号 ☎:06-6387-3311

人工関節手術Q&A

Q1. 人工関節手術の入院期間はどれくらいですか?
個人差はありますが、おおよそ3週間程度です。入院期間を非常に短く設定することは、病院にはメリットはありますが、患者さまにはデメリットしかないと考えています。希望により3週間以上、入院される患者さまもいらっしゃいます。
Q2. 人工関節手術に危険はありませんか?
どんなに短時間の手術にも危険(リスク)はあるといわれています。したがって当院では、人工関節置換術において、豊富な手術数を経験した手術スタッフ、麻酔科専門医や看護スタッフによる専門的なサポートのもとで、万全を期して手術をおこなっています。

●輸血について
手術前にもともと貧血がなければ、他人からの輸血は必要としません。人工股関節の手術の時は手術前に自己血貯血を施行しています(自分のために献血するイメージです)。

●合併症について
非常に稀なケースですが、人工関節の手術に伴う合併症が発症する場合があります。起こりうる合併症として、手術部位の感染、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)、人工股関節脱臼(当院では初回手術の脱臼率は0.1%以下です)、人工関節周囲の骨折などがあります。
Q3人工関節手術は痛いですか?
手術中は麻酔科による専門的麻酔のため痛みを全く感じません。手術中の恐怖も全くありません。手術後も患者さま、個々人に配慮し痛みの管理をしています。ご安心ください。
手術後3ヶ月するとほとんどの場合、痛みや張りが落ち着いて、普通の日常生活ができるようになります。

●手術後の痛みへの取り組み
手術前にあった関節の変形(軟骨のすり減りなど)が原因の痛みは消失しています。
手術後は、手術による炎症反応(痛み、熱感、腫れ)が生じます。当院では手術中に炎症反応を軽減する目的で特殊な配合の薬を使用しています。なかには手術後に全く痛みを感じなかった患者さまも経験しております。退院の時期になると炎症反応は激減します。
Q4 術後の傷口は目立ちますか?
人工股関節全置換術 約8~10cm、人工膝関節全置換術 約12cm、人工膝関節単顆置換術 約8cmの長さの傷跡ができます。
目立って困ると訴える患者さまは、今までいらっしゃいません。
過去には世界中で傷口の短さを競争した時期がありましたが、現在はむやみに短くしても意味がないと証明されています(MISアプローチの功罪)。
Q5 人工関節の入院~手術~退院の流れを教えてください。
●人工関節手術の流れ
当院初診。 体の調子を確認(全身状態の評価、既往症、レントゲン、血液検査、心電図、呼吸機能検査、CTなど)
念のため調べる必要があれば当院専門科に診察を依頼(たとえば不整脈など)
リハビリテーション科で手術前の股関節や膝関節の評価を行います。手術前の状態を知ることが手術後のリハビリメニューの決定に役立ちます。
手術1~2ヵ月前に手術日の決定。
手術1日前に入院。 手術の詳しい説明。麻酔科から麻酔について説明。
手術当日 (手術時間は人工股関節、人工膝関節ともに約1時間程度です。)
手術翌日 リハビリ開始。トイレまで歩行開始します。
手術後14日目 創部を確認。
退院は術後2週間以降です。平均3週間前後。
退院後 当院への外来リハビリは必要ない状態になっています。
数ヶ月に1回 整形外科外来に通院して頂きます。

● 退院のタイミング
手術創部が治癒し、レントゲン検査、血液検査などに問題なく、階段歩行や屋外歩行が自立していれば退院許可となります。
Q6退院後、日常生活で気をつけることはありますか?
日常生活で大きく制限されることはありません。和式の生活から洋式の生活に変更した方が日常生活をおくりやすくなる患者さまもいらっしゃいます(たとえば、寝具を布団からベッドに変えるなど)。当院では、必要に応じてリハビリ担当者が、退院前指導をおこない、自宅での生活に関するアドバイスをするなどしてサポートしますので、ご安心ください。
Q7退院後に運動はできますか?
股関節の場合、術後3か月は正座や和式トイレなどを控え、過度に動かさないように注意してもらっています(術後3か月以降は可能となります)。膝関節の場合は特に制限はありません。立て膝もどんどんついてください。

身体がぶつかり合うようなスポーツや関節に大きな緊張を与えるような動作は控えてもらっています(やってみたいことがありましたら外来で相談してください)。

通常の日常生活にはほとんど支障がありません。散歩やショッピング、旅行、ハイキングなど、手術前には痛くて楽しめなかったことでも、手術後には楽しむことができるはずです。水泳やゴルフ程度の運動も可能です。海外旅行にも普通にいけます。
Q8 若いときに人工関節の手術をしたら再手術になる可能性が高く大変だと聞きましたが本当ですか?
人工関節の材質の開発が進み耐久性が著しく改善されてきています。
人工関節の耐用年数は30年以上あると考えます。昔は60才を越えるまで手術を待機するような風潮がありましたが、現在では年齢に関係なく手術をするようになりました。
当院では30代~90代までの手術実績があります。
しかし自分の骨は加齢とともに弱くなっていきますから、人工関節と骨との結合が剥がれることもあると言われています。手術後10年間で95%以上、20年間で90%以上の患者さまは元気に生活されています。
自分の骨を強く維持することが重要と考えますので、適切な食事、適度な運動を心掛けてください。
たとえもう一度手術が必要になっても当院では、人工関節を入れ替えやすいように手術をしておりますので安心してください。
Q9 人工関節を長持ちさせるコツはありますか?
手術後に人工関節は自分の骨と一体化しますので体の一部となります。
手術をしたことを忘れて、色んなことに挑戦して頂きたいです。長時間の歩行もかまいません。特殊なスポーツ以外は出来ることはなんでもしてください。
骨と一体化した人工関節を維持するためには、自分の骨の強さを維持することが重要になってきます。骨が弱るとグラグラします。適切な食事、適度な運動が重要です。
当院では正確な骨密度測定機がありますので骨の状態を確認することができます。
栄養士による食事指導も可能です。
Q10 リハビリはいつまで続けるのですか?
当院では、入院中のマンツーマンのリハビリで十分な状態まで回復してから退院となりますので外来へのリハビリ通院は必要ありません。退院までに担当理学療法士、作業療法士が家での生活やリハビリテーションについてアドバイスをおこないます。
ただ日常生活に戻って生活を再開すると、一時的に腫れたり筋肉痛がでたりと思うように自分でリハビリができないかもしれません。
以前に通院されていた整形外科のクリニックや、介護保険を利用した通所リハビリなどでリハビリを続けることも有効です。
担当医師に相談して頂ければすぐに対応いたします。
退院し約3ヶ月も経てば股関節や膝関節に対しての特殊なリハビリを続けるというよりは「健康」のために体を動かす意識に変わってきます。そういう意味では「健康」のために一生、体を動かすことを続けましょう!
Q11 身体障害者の手帳はもらえるのですか?
数年前に制度が変わり、現在は人工関節置換術の手術をしただけでは身体障害者手帳はもらえなくなりました。
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