肩の痛みは、四十代以降で急に増える訴えの一つです。ただ、痛みの出方や経過によって「様子を見てよいもの」と「早めに受診すべきもの」があります。ここでは、肩の痛みで受診したほうがいい症状や状況を整理します。ご自身の状態を確認する目安にしてください。
まず、ここが痛いなら受診を検討する
肩の痛みといっても、首や背中、腕に近い場所まで含めて「肩が痛い」と感じる方は少なくありません。以下のような場合は、整形外科の受診を優先してください。
- 朝起きたとき、または前日の夜から急に肩が動かせなくなった
- 手を頭の上まで上げようとすると強い痛みが出る
- 肩を動かさなくても、じんわりと痛む(安静時痛)
- 夜、寝返りや腕の位置を変えただけで目が覚めるほど痛む
- 腕を後ろに回す、背中側にまわす動作ができない
- 痛みが一週間以上続いている、または悪化している
こうした症状は、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)や腱板損傷、インピンジメント症候群などが疑われます。特に、安静にしていても痛む場合は炎症が強く出ていることが多く、放置すると回復まで時間がかかります。
見逃してほしくない「危険な肩の痛み」
肩の痛みの多くは関節や筋肉の問題ですが、中には別の疾患が隠れていることもあります。以下のような症状を伴う場合は、整形外科だけでなく、早めの受診が必要です。
- 痛む側の手がむくんだり、色が変わって見える
- 発熱や悪寒を伴う
- 外傷(転んだ、ぶつけた)直後から激しい痛みがある
- 腕が全く動かず、力を入れられない
- 息苦しさ、胸の痛み、冷や汗を伴う
これらの場合、肩関節の脱臼や骨折、感染症、循環器系の病気が隠れている可能性があります。特に外傷後の激痛は、放置すると関節の動きが元に戻らなくなることもあるため、迷わず医療機関へ。
受診前のセルフチェック:どの科を選ぶ?
「歩いて行ける距離なら総合病院の整形外科」「近所のクリニックでまず診てもらう」という選択肢があります。吹田市民病院のように総合病院を受診する場合、以下のチェックが参考になります。
- 腕を横から90度以上上げられるか
- 後ろに手を回して、腰より上に上げられるか
- 頭の後ろに手を回せるか
- 痛み止めを飲んでも2時間以上続くか
このうち一つでも「できない」「痛みが続く」場合は、整形外科での診察が勧められます。なお、総合病院はクリニックに比べて待ち時間が長くなる傾向があります。予約の有無や曜日によって待ち時間に差があるため、受診前に確認するとよいでしょう。
放置せず、早めの対処が肩の回復を左右する
肩関節は全身の中でも特に可動域が広い関節で、一度炎症や損傷が起きると、動かさない期間が長引くほど拘縮(関節が固まる状態)が進みます。実際、肩の痛みを我慢して数か月放置してから受診する方の多くが、治療に時間がかかっています。
吹田市民病院の整形外科では、問診、動作確認、エコーやレントゲン検査などから原因を明らかにし、投薬や注射、運動療法などの治療方針を提案しています。手術が必要なケースでも、早期発見なら関節鏡視下手術など、体への負担が少ない方法を選択できる可能性が高まります。
肩の痛みは「がまんすれば治る」と思われがちですが、実際は適切な時期に適切なケアをするほど、回復がスムーズです。もし「以前は動いたのに最近上がらない」「朝方の痛みで目が覚める」といった変化を感じたなら、一度専門の医師に相談してみてください。まずは診察を受けて、自分の肩の状態を把握することが、その後の快適な毎日につながります。